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大蛇
第5章 虚しい夜
「詳しくは言えねえよ。ただ、もう俺は彼女に必要とされてねえんだ。だからずっと苦しんでいた」
ルロイは思わずジャンにそう告白した。
酒の勢いもあったからだろう。
「なるほど、人生初の失恋ですか。だからお前、ここのところ様子がおかしかったんだな。そんなにいい女だったのか?」
「そりゃあ、もう・・・・・」
ルロイはオルガのことを考え出すと、無口になった。
「教えろよ、どんなことしてもらったんだ?」
ジャンは鼻息を荒らげた。ルロイはため息をつく。
「彼女を忘れるために、俺はどうすればいいんだ・・・・・」
情けなくも、ルロイはテーブルに突っ伏した。
「おいおい、そんなにしょげるなよ。失恋を乗り越えるために、経験豊富な俺が色々教えてやるからさ」
ジャンは項垂れるルロイを引っ張り、町へ連れ出した。
「たまにはパーッと遊ぼうぜ」
ルロイが顔をあげると、まばゆい光の渦が目に飛び込んできた。
「色町だよ。俺の馴染みの店を教えてやるよ」
ルロイはジャンに促されるまま、一軒の店に足を踏み入れた。
色町にしては落ち着いた雰囲気の店内には、五、六人の女性たちが彼らを待ち構えていた。
「いらっしゃい。あら、ジャンさんだわ!」
女性たちがジャンを取り囲む。
「よお、また来たぜ。今日は相棒も一緒だ」
ジャンは彼の後ろに隠れていたルロイを彼女達に紹介した。
「あら、ハンサムな方」
「凛々しくて素敵ね」
ルロイはこれほど多くの女性たちを前にしたことがなかったので、少し狼狽していた。
「こいつ、失恋したばかりなんでね。慰めてやってやってよ。おい、ルロイ、お前先に好きな子を選べよ」
「キャー!どうしましょう!」
「ドキドキしちゃうわね!」
ジャンの一言に、女性たちは黄色い歓声を上げた。
ルロイは彼女たちの姿を改めてじっくり見た。
ブロンド、栗色、亜麻色、赤毛、そして黒髪の女たちが彼に笑顔を向けている。
ルロイは、オルガと同じ黒髪の女性に目が留まった。
少年のようなショートカットの彼女は、オルガのような涼しげな目をしている。
ルロイは「よろしくお願いします」と言い、黒髪の女に頭を下げた。
ルロイは思わずジャンにそう告白した。
酒の勢いもあったからだろう。
「なるほど、人生初の失恋ですか。だからお前、ここのところ様子がおかしかったんだな。そんなにいい女だったのか?」
「そりゃあ、もう・・・・・」
ルロイはオルガのことを考え出すと、無口になった。
「教えろよ、どんなことしてもらったんだ?」
ジャンは鼻息を荒らげた。ルロイはため息をつく。
「彼女を忘れるために、俺はどうすればいいんだ・・・・・」
情けなくも、ルロイはテーブルに突っ伏した。
「おいおい、そんなにしょげるなよ。失恋を乗り越えるために、経験豊富な俺が色々教えてやるからさ」
ジャンは項垂れるルロイを引っ張り、町へ連れ出した。
「たまにはパーッと遊ぼうぜ」
ルロイが顔をあげると、まばゆい光の渦が目に飛び込んできた。
「色町だよ。俺の馴染みの店を教えてやるよ」
ルロイはジャンに促されるまま、一軒の店に足を踏み入れた。
色町にしては落ち着いた雰囲気の店内には、五、六人の女性たちが彼らを待ち構えていた。
「いらっしゃい。あら、ジャンさんだわ!」
女性たちがジャンを取り囲む。
「よお、また来たぜ。今日は相棒も一緒だ」
ジャンは彼の後ろに隠れていたルロイを彼女達に紹介した。
「あら、ハンサムな方」
「凛々しくて素敵ね」
ルロイはこれほど多くの女性たちを前にしたことがなかったので、少し狼狽していた。
「こいつ、失恋したばかりなんでね。慰めてやってやってよ。おい、ルロイ、お前先に好きな子を選べよ」
「キャー!どうしましょう!」
「ドキドキしちゃうわね!」
ジャンの一言に、女性たちは黄色い歓声を上げた。
ルロイは彼女たちの姿を改めてじっくり見た。
ブロンド、栗色、亜麻色、赤毛、そして黒髪の女たちが彼に笑顔を向けている。
ルロイは、オルガと同じ黒髪の女性に目が留まった。
少年のようなショートカットの彼女は、オルガのような涼しげな目をしている。
ルロイは「よろしくお願いします」と言い、黒髪の女に頭を下げた。