この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
大蛇
第5章 虚しい夜
「詳しくは言えねえよ。ただ、もう俺は彼女に必要とされてねえんだ。だからずっと苦しんでいた」

ルロイは思わずジャンにそう告白した。

酒の勢いもあったからだろう。

「なるほど、人生初の失恋ですか。だからお前、ここのところ様子がおかしかったんだな。そんなにいい女だったのか?」

「そりゃあ、もう・・・・・」

ルロイはオルガのことを考え出すと、無口になった。

「教えろよ、どんなことしてもらったんだ?」

ジャンは鼻息を荒らげた。ルロイはため息をつく。

「彼女を忘れるために、俺はどうすればいいんだ・・・・・」

情けなくも、ルロイはテーブルに突っ伏した。

「おいおい、そんなにしょげるなよ。失恋を乗り越えるために、経験豊富な俺が色々教えてやるからさ」

ジャンは項垂れるルロイを引っ張り、町へ連れ出した。

「たまにはパーッと遊ぼうぜ」

ルロイが顔をあげると、まばゆい光の渦が目に飛び込んできた。

「色町だよ。俺の馴染みの店を教えてやるよ」

ルロイはジャンに促されるまま、一軒の店に足を踏み入れた。

色町にしては落ち着いた雰囲気の店内には、五、六人の女性たちが彼らを待ち構えていた。

「いらっしゃい。あら、ジャンさんだわ!」

女性たちがジャンを取り囲む。

「よお、また来たぜ。今日は相棒も一緒だ」

ジャンは彼の後ろに隠れていたルロイを彼女達に紹介した。

「あら、ハンサムな方」

「凛々しくて素敵ね」

ルロイはこれほど多くの女性たちを前にしたことがなかったので、少し狼狽していた。

「こいつ、失恋したばかりなんでね。慰めてやってやってよ。おい、ルロイ、お前先に好きな子を選べよ」

「キャー!どうしましょう!」

「ドキドキしちゃうわね!」

ジャンの一言に、女性たちは黄色い歓声を上げた。

ルロイは彼女たちの姿を改めてじっくり見た。

ブロンド、栗色、亜麻色、赤毛、そして黒髪の女たちが彼に笑顔を向けている。

ルロイは、オルガと同じ黒髪の女性に目が留まった。

少年のようなショートカットの彼女は、オルガのような涼しげな目をしている。

ルロイは「よろしくお願いします」と言い、黒髪の女に頭を下げた。
/118ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ