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大蛇
第6章 再び蜜を味わって
ジャンはきょろきょろと落ち着きのないルロイをからかった。
ルロイはむっとしたが、彼の目的は当たらずとも遠からずであった。
探し回ること一時間半、ついにルロイはオルガに似た女を見つけることができた。
青いドレスをまとった彼女は帽子を目深にかぶっているので表情まではわからないが、その横顔と美しい黒髪はオルガを思わせた。
ルロイは演目が終わるまで彼女の姿を見つめていた。
もう彼の耳にも目にも、彼女以外入ってこなかった。
ルロイの世界には二人だけがいた。その視線は交わることはなく、ルロイの一方通行に終始していたのだが・・・
そしてあっという間に上演が終わり、人々が出口に向かい始める。
彼はジャンに一言も告げず彼の前から走り去り、青い夫人の姿を追いかけた。
ジャンはいつにないルロイの熱中した様子に驚いたが、気のいい彼は「ナンパ、うまくいくといいな、頑張れよ」と心の中でエールを送った。
ルロイは人ごみの中を見回した。
彼女はどこだ?
ふと見ると、青いドレスの夫人が五メートル程先に居る。
彼は走ってそこまで行き、声をかけた。
「すみません」
だが、顔を見ると彼女はオルガより遥かに年上だった。
「ごめんなさい、人違いでした」
それだけ言うとルロイは再び足を速めた。
確かにオルガは先程劇場にいたのだ、あれはオルガだ、絶対に、神懸けて・・・彼は泣きそうになりながらオルガを探した。
「ルロイ・ソガ・・・」
しかし、思いも寄らずオルガの方からルロイの前に現れた。
青いドレスを着たオルガは、驚いた顔でルロイを見た。
「久しぶりね、あなたも来ていたなんて」
オルガは何気ない様子でルロイに話しかけてきた。
ルロイは待ち望んだ邂逅に、飛び上るほど嬉しくなる。
彼は熱っぽい目で彼女を見た。
「オルガさん・・・やっと会えましたね。ぼくがどれほどあなたを想っていたか、ご存じですよね・・・ぼくはあなたを想わない日などありませんでした・・・ぼくは・・・ぼくは・・・」
ルロイは言葉を詰まらせる。
ルロイはむっとしたが、彼の目的は当たらずとも遠からずであった。
探し回ること一時間半、ついにルロイはオルガに似た女を見つけることができた。
青いドレスをまとった彼女は帽子を目深にかぶっているので表情まではわからないが、その横顔と美しい黒髪はオルガを思わせた。
ルロイは演目が終わるまで彼女の姿を見つめていた。
もう彼の耳にも目にも、彼女以外入ってこなかった。
ルロイの世界には二人だけがいた。その視線は交わることはなく、ルロイの一方通行に終始していたのだが・・・
そしてあっという間に上演が終わり、人々が出口に向かい始める。
彼はジャンに一言も告げず彼の前から走り去り、青い夫人の姿を追いかけた。
ジャンはいつにないルロイの熱中した様子に驚いたが、気のいい彼は「ナンパ、うまくいくといいな、頑張れよ」と心の中でエールを送った。
ルロイは人ごみの中を見回した。
彼女はどこだ?
ふと見ると、青いドレスの夫人が五メートル程先に居る。
彼は走ってそこまで行き、声をかけた。
「すみません」
だが、顔を見ると彼女はオルガより遥かに年上だった。
「ごめんなさい、人違いでした」
それだけ言うとルロイは再び足を速めた。
確かにオルガは先程劇場にいたのだ、あれはオルガだ、絶対に、神懸けて・・・彼は泣きそうになりながらオルガを探した。
「ルロイ・ソガ・・・」
しかし、思いも寄らずオルガの方からルロイの前に現れた。
青いドレスを着たオルガは、驚いた顔でルロイを見た。
「久しぶりね、あなたも来ていたなんて」
オルガは何気ない様子でルロイに話しかけてきた。
ルロイは待ち望んだ邂逅に、飛び上るほど嬉しくなる。
彼は熱っぽい目で彼女を見た。
「オルガさん・・・やっと会えましたね。ぼくがどれほどあなたを想っていたか、ご存じですよね・・・ぼくはあなたを想わない日などありませんでした・・・ぼくは・・・ぼくは・・・」
ルロイは言葉を詰まらせる。