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第6章 再び蜜を味わって

「結婚は人生ですべきことですし、きっと時間と共にあなたを愛するようになると思うわ」

アンヌの型にはまった意見は、ルロイを少し苛立たせた。彼には、愛情の問題は時間が解決してくれるようには思えなかった。

「ぼくは結婚しても君を幸せにできないと思うんだ。だから、君がこの話を断ってもいいんだよ」
「でも・・・・・」

「どうして『でも』なんだ」

「だって、せっかくお父様の親友であるボーモン大佐の持ってきてくれたお話を、断るなんてできないわ。私は皆を失望させたくないもの」

ルロイは溜息をついた。

彼女とは一生分かり合えそうにない。

だが、背水の陣であるルロイにはアンヌとの結婚を断ることができない。

そんなことをすれば、ボーモン大佐はルロイを、あらゆる手段を使ってでも「殺す」だろう。

そうなってしまえば、彼は再びオルガを腕に抱くこともかなわなくなる。

ルロイは唇を噛みしめ、ままならぬ人生に悲痛な気持ちになった。