この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
大蛇
第7章 二つの夜
ルロイは、依然として森の中にいた。

飴色の光が暗い森の中を斜めに横切り、不思議な明るさが辺りに満ちた。 

そろそろ引き返そう、暗くなる前に。

ルロイはそう思い、元来た道を辿り出した。

鳥たちも家路を急いでいるのか、いくつもの黒い影が彼の頭上を通り過ぎて行った。

ルロイの目の前はふいに明るくなり、森の出口が近いことを示していた。

彼は出口に差し掛かったが、足元を過る何かに気づき、歩みを止めた。

それは、一メートル以上の大蛇であった。

大蛇の黒い鱗は夕日に照らされ、鈍い虹色に輝いている。

その体は、金属のような無機質な美しさで彩られている。

規則的に動く舌は、まるで機械仕掛けのようである。

大蛇のガラス玉のような眼差しが、ルロイの眼を捕らえた。

大蛇は眼を細め、彼を一瞬睨みつけると、すぐに森の奥へ消えて行った。

ほんの束の間の出来事であったにも関わらず、その時間はルロイにとって永遠にも感じられる程であった。

彼は電流が走ったかのように驚いた。

大蛇の眼差しに怯えると同時に、それに魅了されている自分にも気が付いた。

その大蛇には、完璧な美しさの中に、人を恐怖に陥れる冷ややかさがあった。

ルロイははっきりとオルガの姿を思い描く。

今の大蛇は、オルガではなかったのか・・・・・?

いや、きっとあの大蛇はオルガではない。

だが、彼女の同族だ。

おれがある女蛇に魅せられていることを見透かしていたに違いない。

ああ、どうしようもなくオルガが欲しい・・・・・。

彼女が再び蛇となり、おれの枕元に立つことは二度とないのか?

・・・・・オルガはおれを二度と欲することはないのか・・・・・・・・・・??

ルロイは頭を抱え、その場にうずくまった。

彼の心の中の海は今やすっかり干上がり、再び満たされない色欲に悩まされ始めていた。


/118ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ