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大蛇
第7章 二つの夜
その夜、ルロイは興奮冷めやらぬまま床に就いた。
目をつぶっても、彼の瞼の裏には剥き出しのタイムの太陽が浮かんできた。
なかなか寝付けなかったルロイだが、いつの間にか意識を失っていた。
夢の中で、ルロイはあの神殿にいた。
神殿の入口から漏れる陽光が、壁面を照らしている。彼は夢中で壁画を眺めた。
その時、ふいに誰かの足音が聞こえた。
ルロイはそれが、只ならぬ者の到来であることを察知した。
一体誰だろう。
何者かの影は、ルロイの元へまで伸びてきた。
彼は怯えた。
きっと、これはあの釜を持った女神だろう。
彼女に魅せられたおれの首を掻きにやってきたのに違いない。
彼は死を覚悟し、振り返った。
そこにいたのは、ルロイが感じた通り、女神に他ならなかった。
しかし、彼女は醜く恐ろしい形相ではなく、艶やかな黒髪をなびかせたオルガの容をしていた。
「久しぶりね、ルロイ・ソガ」
オルガの姿を映した女神は、口を開いた。
「あなたは誰なのですか」
「私のことを忘れたの?オルガ・ボーモンよ」
「本当にあなたなのですか?!」
ルロイは戸惑った。
この女性は女神なのか、はたまたオルガなのか、彼には見分けがつかなかった。
「これなら信じてもらえるかしら」
オルガの姿はその場から消え、代わりに大蛇がルロイの目前にいた。
「オルガ!」
ルロイは叫び、大蛇を抱きしめた。
すると、大蛇はオルガに変わった。
「まだ私のことを好きでいるの?結婚したのに?」
「当たり前です。あなたのことを想わない日はありません」
ルロイはますます強くオルガを抱いた。
彼女の体から発散される良い匂いに、彼は心がくすぐられる。
「奥様を愛していないの?」
「愛していません、あなただけです、ぼくが愛しているのは・・・・・」
「可哀そうね」
言葉とは裏腹に、オルガは歓びを感じていた。
ルロイは未だに自分だけを愛していたのだ!「あなたを感じたいのです、オルガ、あなたが今すぐ欲しい!」
ルロイはオルガの唇を強引に奪う。
「ルロイ、それは私ではないわ。今、あなたは私に触れることはできないのよ」
目をつぶっても、彼の瞼の裏には剥き出しのタイムの太陽が浮かんできた。
なかなか寝付けなかったルロイだが、いつの間にか意識を失っていた。
夢の中で、ルロイはあの神殿にいた。
神殿の入口から漏れる陽光が、壁面を照らしている。彼は夢中で壁画を眺めた。
その時、ふいに誰かの足音が聞こえた。
ルロイはそれが、只ならぬ者の到来であることを察知した。
一体誰だろう。
何者かの影は、ルロイの元へまで伸びてきた。
彼は怯えた。
きっと、これはあの釜を持った女神だろう。
彼女に魅せられたおれの首を掻きにやってきたのに違いない。
彼は死を覚悟し、振り返った。
そこにいたのは、ルロイが感じた通り、女神に他ならなかった。
しかし、彼女は醜く恐ろしい形相ではなく、艶やかな黒髪をなびかせたオルガの容をしていた。
「久しぶりね、ルロイ・ソガ」
オルガの姿を映した女神は、口を開いた。
「あなたは誰なのですか」
「私のことを忘れたの?オルガ・ボーモンよ」
「本当にあなたなのですか?!」
ルロイは戸惑った。
この女性は女神なのか、はたまたオルガなのか、彼には見分けがつかなかった。
「これなら信じてもらえるかしら」
オルガの姿はその場から消え、代わりに大蛇がルロイの目前にいた。
「オルガ!」
ルロイは叫び、大蛇を抱きしめた。
すると、大蛇はオルガに変わった。
「まだ私のことを好きでいるの?結婚したのに?」
「当たり前です。あなたのことを想わない日はありません」
ルロイはますます強くオルガを抱いた。
彼女の体から発散される良い匂いに、彼は心がくすぐられる。
「奥様を愛していないの?」
「愛していません、あなただけです、ぼくが愛しているのは・・・・・」
「可哀そうね」
言葉とは裏腹に、オルガは歓びを感じていた。
ルロイは未だに自分だけを愛していたのだ!「あなたを感じたいのです、オルガ、あなたが今すぐ欲しい!」
ルロイはオルガの唇を強引に奪う。
「ルロイ、それは私ではないわ。今、あなたは私に触れることはできないのよ」