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大蛇
第8章 再会
ルロイは、祖国の地を久方ぶりに踏んだ。
彼の心は、いつになく浮き立っていた。
もうすぐオルガに再会できる!
そして彼女はおれのことを愛していたのだ!
これほど幸せなことがあるだろうか!
ルロイは家に帰り荷を下ろすと、約束の場所へと向かった。
「森のホテル」は町はずれにあり、ここにはかつて栄華を極めた貴族が住んでいたという。
ルロイは徒歩一時間以上かけ、森のホテルまでたどり着いた。
ホテルの周りには木が鬱蒼と生い茂り、その陰に屋敷は暗く沈んでいた。
ルロイは胸をどきどきさせながら、ホテルの大きな金属のドアを押した。
「いらっしゃいませ」
シルバーグレーの男性が、恭しくルロイを出迎える。
彼の様子は非常に丁寧であったが、客のプライバシーを侵さぬよう、あえて他者に無関心を装っているような風情であった。
ルロイはそんな彼の態度に、不思議と安堵感を覚える。
「こちらへどうぞ」
ルロイが何か言うまでもなく、案内係の男性は彼を一つの部屋に通した。
古い建物であるにも関わらず、埃臭さを感じさせないこざっぱりとした清潔感が満ちていた。
「こちらのお部屋でお待ちください」
男性はそう言うと廊下へ消えて行った。
存在感の気にならない、不思議な人だとルロイは思った。
彼は辺りを一通り見回した後、大きな窓に近づいた。
窓はホテルの入口がある側と反対に面していたので、ルロイは残念に思った。
眼下には、夕日に照らされた初春の麦畑が広がっている。
きっと秋には見事な眺めだろうとルロイが思った瞬間、突然ノックの音が聞こえ、振り返るとそこにオルガが立っていた。
ルロイは何も言えず、その瞬間呼吸も止まった。
「オルガ!」
ようやく口を開くことができた彼は、腕の中にオルガを抱きしめた。
「どれだけあなたを待ち望んだことでしょう!あなたはぼくだけのものなのです!」
ルロイは無我夢中でオルガを抱きしめた。
彼女はこれまで男性からこれほど情熱的な言葉を贈られたことがなかった。
大抵の者は彼女の肉体が手に入ると満足し、執着心を無くしていったものだった。
しかし、ルロイはオルガと体を重ねれば重ねる程、ますます彼女を強く求めた。
オルガはそんなルロイの心を不可解に思いながらも、彼の想いに興味を抱いていた。
彼の心は、いつになく浮き立っていた。
もうすぐオルガに再会できる!
そして彼女はおれのことを愛していたのだ!
これほど幸せなことがあるだろうか!
ルロイは家に帰り荷を下ろすと、約束の場所へと向かった。
「森のホテル」は町はずれにあり、ここにはかつて栄華を極めた貴族が住んでいたという。
ルロイは徒歩一時間以上かけ、森のホテルまでたどり着いた。
ホテルの周りには木が鬱蒼と生い茂り、その陰に屋敷は暗く沈んでいた。
ルロイは胸をどきどきさせながら、ホテルの大きな金属のドアを押した。
「いらっしゃいませ」
シルバーグレーの男性が、恭しくルロイを出迎える。
彼の様子は非常に丁寧であったが、客のプライバシーを侵さぬよう、あえて他者に無関心を装っているような風情であった。
ルロイはそんな彼の態度に、不思議と安堵感を覚える。
「こちらへどうぞ」
ルロイが何か言うまでもなく、案内係の男性は彼を一つの部屋に通した。
古い建物であるにも関わらず、埃臭さを感じさせないこざっぱりとした清潔感が満ちていた。
「こちらのお部屋でお待ちください」
男性はそう言うと廊下へ消えて行った。
存在感の気にならない、不思議な人だとルロイは思った。
彼は辺りを一通り見回した後、大きな窓に近づいた。
窓はホテルの入口がある側と反対に面していたので、ルロイは残念に思った。
眼下には、夕日に照らされた初春の麦畑が広がっている。
きっと秋には見事な眺めだろうとルロイが思った瞬間、突然ノックの音が聞こえ、振り返るとそこにオルガが立っていた。
ルロイは何も言えず、その瞬間呼吸も止まった。
「オルガ!」
ようやく口を開くことができた彼は、腕の中にオルガを抱きしめた。
「どれだけあなたを待ち望んだことでしょう!あなたはぼくだけのものなのです!」
ルロイは無我夢中でオルガを抱きしめた。
彼女はこれまで男性からこれほど情熱的な言葉を贈られたことがなかった。
大抵の者は彼女の肉体が手に入ると満足し、執着心を無くしていったものだった。
しかし、ルロイはオルガと体を重ねれば重ねる程、ますます彼女を強く求めた。
オルガはそんなルロイの心を不可解に思いながらも、彼の想いに興味を抱いていた。