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五十嵐さくらの憂鬱。
第2章 …2
「ちゃんとお互いを理解しないと
さくらちゃんみたく、悲しい顔でほっとけない女の子が増えちゃう」
「私、そんな顔してました?」

樹は心持ち笑いながらうなづく。

「ちょっと憂鬱そうな、困った顔をいつもしているよ。
彼氏とのセックスが問題だとは思わなかったけど」
「……えっちが問題というか、私が問題というか…」
「どういうこと?」

ーーー言えない。さすがに。いけないなんてーーー

言葉につまってココアを一気に喉に流し込む。
ジンジャーの刺激が、
のどを心地よく流れさらにさくらを熱くした。

「……気持ち良くないの?
いけない、とか?」

ギクリとしたのがばれて、
逆に樹を見つめ返してしまった。

「……先輩、なんで…」
「女の子にありがちな問題だよ。
それは女の子に問題があるんじゃなくて
大概は男の方にある」

あ、とさくらは思った。
この人は、光輝と違う。
他人だから客観的に聞けるのかもしれないが
さくらのせいではない、と言ってくれた
その一言だけで、救われたような気持ちになった。

「さくらちゃん、あんまり自分が悪いって
思い込まない方がいい。
俺、男だから。
男の気持ちわかるから。
いつでも相談に乗るよ。さくらちゃんさえ、よければ」
「あ、の…なんか最近
たくさんお世話になっちゃってるし…
相談、のってもらいたいですけど、
そんなよくしてもらっちゃ…悪い気がして」

さくらの頭を撫でていた手が止まった。

「ほっとけないよ。そんな顔されたら。
だから、今もこうやって話聞いてるんだ」

ふいに樹の顔が迫ってきて
唇を奪われる寸前でーーー樹は止まる。
いたずらっぽそうな目が近くで笑う。

「…そんな顔してたら、本当に俺のにしちゃうよ?」

唇がほんの少し触れた。

「行こう。家まで送って行くよ」

さくらは急に耳まで赤くなる。
不意打ちとはいえ、キスしてしまった。
どうしよう、と今になって心臓の音が耳の内側から聞こえてくる。

某然とするさくらに困ったのか
樹が彼女の手をとる。
それに優しくエスコートされて、
さくらは魔法にかかったように立ち上がった。

「家まで送りますよ、姫。
話はまた今度きいてあげる」

手の甲にキスをされた瞬間、
ぐらりと視界が揺らいだ。
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