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第5章 月への道を

りえが幸せならそれでいい…

それで、いいけれど
自分が幸せを感じさせてあげたかった


ユウイチはりえの居場所を確認してから
りえに会わずに、自分の居場所に寂しく思いながら
帰っていった。

小さな子供二人と
蔓延の笑みを浮かべ歩いていたりえを思い出した。

自分はあの笑顔をりえにはあげられなかった…


肩を落とし、ため息ばかりが出ていた。


仕事も進まず
事務所から見える離れのりえの部屋を
ぼんやりと見ていた。