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Moon road〜月への道
第5章 月への道を
女の子は、ユウナといい、
恥ずかしそうにりえの傍から離れなかった。

しかし、話をしていくうちに打ち解けた。

ユウイチにはとても居心地のいい幸せな時間だった。
りえもユウイチと子供たちと一緒で心地が良かった。

りえは子供の父親が誰なのかは触れ無かったが
子供の父親はどうでも良くて
やっぱりりえがとても愛しく感じていた。


この親子を見守っていこうとユウイチは思った。


夜になり病院から出なくてはならなく
ユウヤは一人残されるのが寂しくて泣き暴れた。

りえは、それでも病院から出なくてはいけないので
ユウヤをしきりに宥めていた。
ユウナもユウヤを置いて帰るのは可哀想だと泣き出した。
ユウナとユウヤを抱きりえは二人を懸命に宥めていた。


ユウイチがユウヤをりえから抱き変えると
ユウヤに
「シーッシーッ」
と、人差し指を口に付けてユウヤを落ち着かせた。

そして、ユウヤの耳元で何かを囁いた。

するとユウヤは涙を袖で拭い
涙目で
「うん。頑張る!頑張るから。」
と、ユウイチに言った。

ユウイチは、ユウヤの頭を撫で
「偉いな!頑張るんだぞ。」

そしてユウイチの時計を渡し
「今のこの時間と同じになったら来るから。」
と言い、紙に時計の絵を書き、今と同じ9時の絵を書いた。

「ユウヤ、時計を大切にしてね。大切な大切な時計だからね」


ユウイチは眠ってしまったユウナを抱き
りえと病院を後にした。

ユウヤは、機械式時計の音を聞きながら
ユウイチとの約束を守り、ユウイチからのご褒美を楽しみに眠りについた。


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