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第5章 月への道を

朝早く子供たちは目覚めて
騒いでいた。

りえは家事と準備に追われていた。

窓の外を見ながらユウイチを子供は待っていた。

が…約束の時間になってもユウイチは来なかった。
電話をしても出なかった。

りえは不審に思い、タクシーを呼び子供たちと
ユウイチの事務所に向かった。

鍵を開け中に入ってみると
ユウイチが倒れていた。

りえは気が動転していたが
子供たちは、声も出さずに倒れていたユウイチを見ていたので
脈を見るとゆっくりだか動いていた。

「お義父さん、お義父さん」
双子はユウイチを揺らしながら呼んだ。

「お義父さんに触ったらダメよ。救急車を呼ばなくちゃ」
りえが双子に言うと、二人は頷いて
泣きながら
「お義父さん、お義父さん」と呼んでいた。

りえが携帯電話を取り出し
震えながら番号を押し始めると…

「あ…りえ…か…。遅れちゃうかな…。」

「お義父さん？大丈夫？」

「大丈夫だよ…遅れてしまうから…先に行きなさい。後から俺は行くから…」

「お義父さんが一緒じゃなくっちゃ、いかない！」
ユウナは泣きながら言った。
ユウヤも頷きながら泣いていた。

「ごめんよ…本当、ごめんなさい。」

泣いている双子の頭を交互に撫でながらユウイチは謝っていた。

主治医の往診をお願いし
りえはユウイチが歩くのを手伝いながら
ユウイチの部屋に連れて行った。

双子は大人しく事務所で絵を描いていた。