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第5章 月への道を

ユウイチの部屋は懐かしかった。
ユウイチがベッドに横たわると
ユウイチは掛け布団を捲り

「りえ、来るか？」
と、弱々しく笑った。

「お義父さんたら…」
りえは、横になったユウイチの上から
抱き締めた。

そして
「無事でいてくれて良かった。」
と言い、ユウイチにキスをした。

ユウイチはりえの頭を押さえ
長いキスをねだった。

りえは優しく何度もユウイチの唇にキスをした。

ユウイチの手がりえの乳房に手が伸びた時に
玄関のチャイムが鳴った。

双子が一目散に玄関に行き

「マ〜マ〜」
と、呼んだ。

玄関ドアを開けると
この家の主治医が立っていた。

「あ…りえちゃん…元気でしたか？」
りえは笑顔で頷いた。

りえを医師は懐かしみながらユウイチの部屋に向かった。


医師は、ユウイチに質問をしながら
血圧を測り、聴診器で心音を聴き、目を見て
お腹を押さえたり、
いろいろ診察した。

最近人間ドックをして
異常なしだったので
とりあえず「過労」と診断された。

「もう若くないんだから…」
そう言い残し医師は帰って行った。

りえは少しホッとし
双子は部屋のドアから覗いていた。


ユウイチは、診察が終わると予約をキャンセルした。
そして、次の予定のつく日の相談をした。

暫く、休んでからにと
りえはユウイチに提案し
子供たちも「元気になったら行こうね」
と、優しい言葉をかけてくれた。