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Moon road〜月への道
第5章 月への道を
りえは事務所に早めに出勤すると、ユウイチがソファにもたれかかり眠っていた。
机には沢山の書類が積まれていた。

ユウイチの寝顔は疲れているように見えた。

こんなにも頑張るユウイチが、愛しく思えた。
そして、身体が心配で堪らなかった。

机にも散らばった書類を静かに整理をしていると
「あ…りえか…もう来たの?」

ユウイチが目を覚ました。

「起こしてしまった?ごめんなさい。まだ、早いからもう少し休んで…」

りえはソファに座りユウイチの頭を膝に乗せた。
優しく髪を撫でながら
「あと、30分眠れる、」
と、囁いた。

りえに撫でられながら
ユウイチは幸せそうな顔で再び眠りにはいった。


りえはユウイチの白髪の混じった髪を撫で
皺の増えた顔を見つめていた。

明らかに老いている。

出逢った頃のユウイチは白髪も皺も目立たず
いつも自信たっぷりで、りえを包み込んでくれていた。

でも、変わらず優しく、仕事を懸命にしていた。
かっこいい素敵な男だとしみじみ思った。

「お義父さん、愛してる…」

眠っているユウイチに優しくキスをした。

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