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Moon road〜月への道
第5章 月への道を
「お願い…生きてて。」
りえは、病室に移ったユウイチに弱々しい声で懇願した。

ユウイチはりえの頭を撫で、笑った。

「大丈夫だよ。りえ。」

そう言い、ベッドに寝転んだ。


ユウイチはタクヤにりえを連れて帰るように言った。

タクヤは頷き、泣いているりえの背中を抱えながら
病室を出た。


ユウイチは寝ながら、考えていた。


りえや子供達を残して行くのは辛い
だが…
自分の生き方は、矢張りずっと自由でいたいと。


ユウイチはいろいろ考えながら
薬の副作用で何時の間にか眠っていた。


りえはタクヤの車に乗っても啜り泣いていた。

ユウイチは、治療をしない気がしていたからだ。
自然体のユウイチだから、きっと余命を精一杯生きるんだろうなと、思っていたからだ。


タクヤはりえの手を握りながら海に向かった。

海に着くとタクヤとりえは車を降り
海を眺めていた。

タクヤはりえを背後から抱き締めていた。

何も喋らずにただ暗くなるまで海を眺めていた。

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