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Moon road〜月への道
第5章 月への道を
りえは気が狂いそうだった。

タクヤが結婚したいと思うような人がいたとは
思いもよらなかった。

りえは声を殺しながら泣いていた。

「前にタクヤの助手といって来ていた女性?それとも、前の奥さん?仲良かったもの。。それとも私の知らない…」

頭の中がぐるぐるとし、頭痛がし、吐きそなくらい痛んだ。

りえはベッドから出られずにそのまま眠ってしまった。


タクヤがどんどん離れていき
ユウイチは突然消えてしまった。

子供達も走り去っていってしまった。

りえは一人ぼっちになり
暗闇の寒い広い海に一人立ちすくんでいる夢を見ていた。

「マ?ママ?」

ユウナがりえを揺すっていた。

「ん…ユウナ…あ…どうしたの?」

「ママ、もう朝よ。頭痛いの?」
ユウナは心配そうにりえを見た。

「あ…ごめんね。急いで支度するね。」

「新井のばあばが来てくれたよ〜」

「え?新井さんが?」

「ママが頭痛そうだから、お義父さんが来て貰ったの。」

「そう…だったの。ごめんね。もう、ママは大丈夫よ。」

ユウナと一緒に寝室から出ると
新井は朝食をテーブルに並べていた。

「りえさん、おはようございます。体調はいかがですか?」

「おはようございます。ありがとうございます。大分いいです。朝からすみません。」

「私はいいのよ。頼られて嬉しいんだから。」

いつも優しい新井に感謝した。

新井は子供達を保育園に送ってくれた。

テーブルには、お昼御飯まで置いてくれてあった。

自分一人じゃない。
タクヤにも幸せになって欲しい。

りえは、身が切られそうな思いだったが
タクヤの結婚を祝福しようと思った。



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