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第5章 月への道を

「りえ、結婚して欲しい。家族に…家族になりたいんだ。りえと。」

りえはユウイチともタクヤとも籍は入っていない。
子供達も父親がいない。

ユウイチは何度か父親になると言ってくれたが
りえは拒否していた。

タクヤは
「りえと俺が結婚し、子供達と養子縁組をし親子になり
りえは親父と養子縁組をする。みんな家族になれる。」
そう言った。

「親父はりえと家族になりたいんだよ。子供達も本当は認知して自分の子供にしたかったけど、もうすぐ死んでいく自分が父親じゃ可哀想だからって、俺が…」

タクヤは必死りえに訴えた。

ユウイチは死ぬ前にいろんな準備をしているらしかった。

自分の仕事をタクヤと共有したり
財産を動かしたり、残され者が困らないように動いていた。

りえはユウイチの愛の深さに心を打たれた。

「あの家にみんなで帰ろう」
タクヤはりえに言った。

想いの深いあの家に…