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第5章 月への道を

赤ん坊は、ユウトと付けた。

タクヤはユウトの指先を見て自分と似ているのに安堵したり、耳の形は、亡き父に似ていて疑念を抱いたりした。

りえはタクヤの行動にちゃん話さなければいけないと思った。


「タクヤくん…あの…」

「ん？なんだい？」

タクヤに話そうとしていた時
タクヤの携帯電話が鳴った。

「生まれそう？そうか、頑張れよ。今から行くから。」

「タクヤくん？」

「あ…前の奥さん、子供が産まれそうなんだ。だから今から行ってくるよ。」

タクヤは、急いで着替えて部屋の隅にあった包みを持って出掛けた。

りえは呆然とした。



ユウトが激しく泣いているのを
子供達が見つけた。

母親を探したが姿は見えずに
新井を呼んだ。

りえは家中どこを探してもいなかった。


産後急激に身体の中のホルモン数値が変わり
産後鬱になっていた。

今までの状況から、りえは産後鬱になりやすいと注意を受けていたのだった。

新井はタクヤに連絡をしたが、矢張り連絡がつかなかった。

新井はタクヤの事は諦めながら警察に通報し、保護願いをした。