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第10章 挨拶

隆盛が、一礼して座布団から横にずれ背筋を伸ばして両親を見据えると、綺麗に正座をした。

「はじめまして、滝沢 隆盛と申します。


本日は、新菜さんと結婚させて頂きたくご挨拶に伺いました。


私は、新菜さんが好きです。


高校生の時から、もうずっとです。


この気持ちは、一生変わりません。


新菜さんを、必ず幸せにするとお約束致します。


どうか…新菜さんと結婚させて下さい！」




言った…！

その為に来たのだから
当たり前なんだけど。


隆盛、本気であたしと結婚する気なんだ！


本気で…。


両親の前で手をついて深々と頭を下げ
許しを乞う隆盛を目の前にすると
喉元に熱いものがこみ上げてきて
今すぐ隆盛に抱きつきたい衝動を何とか堪えた。


「あたしからも、お願いします。

あたしも隆盛が、大好きです。

一生一緒に居たいの。

隆盛と結婚させて下さい。」


気が付けば、あたしも同じく座布団から降りると隆盛と並んで手をついて頭を下げていた。


嬉しいよ…隆盛。

大好きだよ。

あたしも…同じ気持ち。

ありがとう。