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リベンジ!
第10章 挨拶
母が特別なお茶と言ったのに、興味津々で湯呑みの蓋を開けてみた。
真っ白い 湯呑みの中には、桜の花が二輪、枝付きサクランボのごとく、繋がってお湯の中で花を咲かせていた。
綺麗…。
湯呑みの中で、まるで一足早めに春を切り取ったかのように、淡いピンクの桜の花が可憐に咲いている。
「桜茶ですね?綺麗だ。初めて見ました。こんなお祝いのお茶をご用意してくださって、ありがとうございます。」
隆盛も、お茶に口を付けず、湯呑みの中の早春にウットリと魅入りながらお礼を言った。
「お祝いのお茶なの?」
あたしが母に尋ねると
「お祝いの席では、『お茶で濁す』『茶々を入れる』と言う慶事にそぐわない意味があるから、煎茶は使わないんですって。
桜茶は『花開く』、昆布茶は『よろこぶ』と言う意味の語呂合わせから縁起がいいお茶なのよ。
新菜の事、お茶で濁されたら困るわ。
隆盛さん、新菜の事は返品不可でお願いします。」
「ははっ、勿論です。
私が、新菜さんを長年想っていたのがようやく花開きました。今すぐにでも、攫いたいくらいなのに返品なんて致しません。ご安心下さい。」
突然、隆盛の艶やかな微笑みを向けられたあたしは、隆盛が言った『イマスグ、サライタイ』のその後を想像して、顔を火照らせた。
真っ白い 湯呑みの中には、桜の花が二輪、枝付きサクランボのごとく、繋がってお湯の中で花を咲かせていた。
綺麗…。
湯呑みの中で、まるで一足早めに春を切り取ったかのように、淡いピンクの桜の花が可憐に咲いている。
「桜茶ですね?綺麗だ。初めて見ました。こんなお祝いのお茶をご用意してくださって、ありがとうございます。」
隆盛も、お茶に口を付けず、湯呑みの中の早春にウットリと魅入りながらお礼を言った。
「お祝いのお茶なの?」
あたしが母に尋ねると
「お祝いの席では、『お茶で濁す』『茶々を入れる』と言う慶事にそぐわない意味があるから、煎茶は使わないんですって。
桜茶は『花開く』、昆布茶は『よろこぶ』と言う意味の語呂合わせから縁起がいいお茶なのよ。
新菜の事、お茶で濁されたら困るわ。
隆盛さん、新菜の事は返品不可でお願いします。」
「ははっ、勿論です。
私が、新菜さんを長年想っていたのがようやく花開きました。今すぐにでも、攫いたいくらいなのに返品なんて致しません。ご安心下さい。」
突然、隆盛の艶やかな微笑みを向けられたあたしは、隆盛が言った『イマスグ、サライタイ』のその後を想像して、顔を火照らせた。