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第8章 真実の行方

隆盛は、あたしの手を繋いだまま無言で運転する。


すでに外は真っ暗で、車の窓からは月が見えていた。


隆盛は、先ほど迄甘く艶めいて誘っていたのが嘘のように無表情になってた。

無表情になった彼の横顔は、端正だが酷く無機質で冷酷に見える。


隆盛…何を考えてるんだろ…。



やがて、見るからに高級マンションにつくとガレージに車を停め、エントランスで暗証番号を打ち込み、やはり無言でマンションのエレベーターにあたしを引き込んだ。


豪華なマンションにも驚いたが突然、隆盛が黙り込んだ方が気になり、あたしも何も言えなくなった。


無言の気まずさに耐えかねたあたしは、隆盛に話しかけた。



「隆盛？…何かあたし、気に障った？」

「えっ…いや、そうじゃないよ。」

隆盛の目があたしを見て不自然に泳ぐ。

じゃ、何で黙ってるのよ！


最上階に止まったエレベーターを降り、グイグイと引っ張られるように部屋まで連れて行かれた。


さっきまで、盛りがついた雄犬みたいに尻尾振ってたくせに…


何よ！この下がり様は…。


あたしが、何にも話さないから怒ってるの？


酷いこと言って、何にも言わず立ち去った女に復讐する気？


この突然の沈黙は、ダメな方にしか思えない…。