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リベンジ!
第10章 挨拶
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「 新菜、隆盛…結婚おめでとう! 」
「ありがとう。でもまだ、結婚はしてないよ。気が早いな。」
あたしと隆盛は、優花達の新居にお邪魔してた。
優花と翔平は、二歳になる向日葵 ( ひまり ) ちゃんのママとパパがすっかり板についていた。
子供のおもちゃ箱があるリビングで、四人でひまりちゃんを眺めながらお茶をする日が来るなんて…不思議だ。
「 新菜…隆盛から電話で事情は聞いたよ。ゴメンね。誤解させて…。 」
「 もういいのよ。あたしも、逃げたりしないでちゃんと話をするべきだったのに。心配掛けてゴメンなさい。
…今更なんだけど、なんで話してくれなかったの? 」
「 …そうだよね。ゴメン…でも何も知らない新菜に救われてたんだ。
だって…話しても、あの時のあたしは産めなかったし…。
結論は、でてたから相談はしなかったの。
変な気を遣われたく無かった…。
何も無かった事には…出来ないのにね。 」
優花が、眉根を寄せ苦しそうに目を伏せた。
「 誰にも相談出来なくて、悩んでたら隆盛が声を掛けてきたの。『 何を悩んでる?手に余る問題でもあるのか?』ってね。
びっくりした。
あたし、隆盛って仲間だけど鉄面皮でなに考えてるか分からない奴だって思ってたから…。 」
優花は、ふふって笑ってあたしを見た。
「 いつの間にか、相談してた。直ぐに病院の手配までしてくれて、翔平にも話をしてくれてたんだ。
病院で、すぐに手術されて
早く処置出来たから一日で退院出来たの。
子供を堕ろすとね…胸が張るの…。
おっぱいを飲ませる赤ちゃんは、居ないのに…。
夜に一人で居ると、頭の中で一晩中赤ちゃんの泣き声が聞こえて…よく眠れなくなってた。
精神的に、ダメになり掛けてたと思う。
翔平とも、ケンカばっかりで…。
でも、何にも知らない新菜と普段通りに話す事で、何とか冷静を保ててたんだよ。
新菜、ありがとうね。 」
優花は、涙をポロポロと零し、嗚咽を堪えながら昔を告白してくれた。