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第10章 挨拶

優花も翔平も、過去を清算して素敵に輝いていた。

あたしも、見ない振りをしていた過去をしっかり見つめたい。

隆盛と二人なら大丈夫だ。

結婚なんて大事な事、戸惑って不安になっていたのが嘘みたいに晴れやかな気持ちになれた。

優花と翔平、それからひまちゃんに会えてよかった。

幸せになりたい！

心からそう思えた。



優花の家からの帰り道

「 あいつら、幸せそうだったな？」

「 あたしも、今それを思ってたよ。」

「 幸せになりたいって思ったか？」

「 うん…何でわかるの？」

「 俺も、思ったから。俺の幸せの先には、新菜が笑ってて、赤ん坊を抱いてるんだ。新菜にしか、俺を幸せに出来ないからな。頼むよ、奥さん。」

「 …はい。」

先ほどの決意は何処へやら、恥ずかしくて返事を返す事しかできない。

隆盛は、あたしの頭を抱き寄せると、頭にそっと口づけをして抱き締められていた。