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俺だけの女の子。
第8章 変わっていく馨と焦る俺
しかも髪の毛も寝癖はなく、片方のサイドを可愛いピンで留めてある。
これは一体どういう心境の変化なんだろうか。
もしかして昨日高梨と会ったことで女の子らしくなりたいって気持ちが生まれたとか?

「何で誰もなにも言ってくれねえんだろうな。あ、もしかして冗談言えねえほど酷いとか?」

いやいやいや。
むしろ正反対ですが?

膝丈だったスカートも程よく短くなっている。
さすがにいつもみたく大股は開いてなくて安心した。

「母さんにさ、寝癖直すのどうやったらいい?って聞いたらこんなピンまでつけられて。リボンどこだっけ?って聞いたらスカートも短くされたんだよ」

あーきっと嬉しかったんだろうなー

馨のとこは上が三人男だし、それなのに兄ちゃんたちは馨を可愛さのあまりほぼ男として育ててたし。
本当は可愛い服とか髪とかさせたかったんだと思う。

「ま、航が前に可愛いって言ってくれてたからさ、他の奴らに何て言われてもいいかな、って思って」

ずきゅん、と胸に何かが刺さったと同時に。
一瞬泣きそうになった。
だけど寸でのところで思いとどまれたのは、澤田の嫌らしい下卑た笑いが見えたからだと思う。


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