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俺だけの女の子。
第2章 馨のファーストキスはレモンの味
「じゃあ航がしろよ」

ぽつりと呟いた声は小さくて聞き取れず、俺は首を傾げた。
涙は拭わずに流れたため、ほっぺにはその跡が残って痛々しい。

「航があたしとセックスしろ」

……え

「じゃなきゃ今すぐ誰か捕まえて……」
「わー!わかった!わかったから!とりあえず落ち着こう!な?」

いや、落ち着くのは俺だ。
ヤバイ。嬉しすぎて死ねる!

……けどこんなのでセックスしていいのかな。
できればちゃんと彼氏彼女とかになった上でしたいんだけど。

今時堅すぎんだろ、とか言われるかもしれないけど、俺はやっぱりそういう手順はちゃんと踏みたいほうだ。
いや、海でのナンパは別として。

「あたしは落ち着いてるよ。するのか?しないのか?はっきりしろよ」

こういう男前のところは好きだけど、時と場合によるよな。
だってやっぱこういうのってそんな二択で決めるもんじゃないだろ?

「俺と、したいの?」

誰でもいいからって言ってたことが気になって敢えて聞いてみた。
俺の望む答えが帰ってくるとは思わないけど、返答次第では今セックスするのは早急すぎる。

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