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俺だけの女の子。
第10章 馨の高梨誘惑作戦
放課後。
俺と澤田と馨と、ついでに山田は教室に残っていた。
合同会議が行われるのは16時からで、その前に制服とか化粧をしようってことになったのだ。

「なあ、マジで告白させるように仕向けんの?」

山田と俺は教室の後ろの席にすわり、馨が変身する様子を眺めている。
山田の言いたいことは分かる。
うまくいったらどうすんだよ。とそんな意味が含まれてるんだとは思う。

「させるよ。それが馨の意志だからな」
「俺だったら絶対阻止するけどなあ」

山田はそんなことを言いつつも、だからと言って馨の邪魔をしようとはしなかった。

「好きな奴ってそいつのことなんだろ?」
「……多分な。嫌いにはなれない、みたいなことは言ってたし」
「馨も女なんだな……告白しといて何だけどさ、俺、馨は航を好きなんだと思ってた。女ってこえーよなー」

うん。俺もそう思う。

髪の毛を整え、少し濃いメイクをした馨が俺を見て遠慮がちに笑う。
……もしかしたら山田を見たのかも、っていうのは置いといて。

「制服着替えてくるわ」

そう言って馨が教室を出ると、何となく三人は無言になった。


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