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俺だけの女の子。
第10章 馨の高梨誘惑作戦
だけどちゃんとはっきり言ってたんだよな。

「どっちかって言えばまだ好き」

ってさ。

馨は高梨に自分の正体がバレたら困ると思ったのか、強引な高梨の様子にされるがままだ。

ってかここまで言わせれたんなら、もう告白させたとみなしていいんじゃねえ?

隣の山田も同じ気持ちだったのか、俺の目配せに頷いた。
俺たち二人は高梨に近付くと肩をぽん、と叩く。

「俺らの馨に何か用?」

高梨は俺と山田を交互に見ながら怯えると、パッと馨を掴んでた手を離した。

「こ、この子はカオルって言うのかい?この前図書館で声をかけられた子に似てたからその確認をしたかっただけなんだよ」

まだ椎名馨だとは気付いてないんだろう。
高梨は言い訳じみたことをぺらぺらと喋っている。

「そ。あたし、図書館で声をかけた椎名馨だよ?」
「そそそ、そうだろう?僕に声をかけてきた……しいな、かお……る?」

馨はにっこりと笑った。
高梨は同姓同名であってほしいと願っているところだろうか。
だけど馨の面影は残っているだろうし、何よりあのドスの効いた低い声はそこらにいる女の子じゃ出せないものだ。

高梨、覚悟を決めた方がいいぞ?



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