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俺だけの女の子。
第10章 馨の高梨誘惑作戦
もしかしたら今日からまたたくさんの彼女に囲まれるのかもしれない。

……うらやましい奴。


山田と別れた俺は、澤田と馨がいる教室へと戻った。
だけど、教室には澤田しか見当たらない。

「あれ?馨は?」

澤田に聞くと、澤田は自分の後ろを指差した。

「よくわかんないんだけど、何か目覚めちゃったみたい」

澤田の背中に隠れる馨は、俺の顔を見るなり赤面した。

……いやいやいや。
何でそんな急に可愛くなってんの。

「馨?一緒に帰ろ?」

「……無理」

「何で?」

「……恥ずかしくて死ぬ」

……いやいやいや。
もっと恥ずかしいこといっぱいしてるから。

「ってか、何で急に?」

「そ、そんなのあたしも分かんねえよ!つ、付き合うのが結婚前提じゃないってわかって、色々考えてたら、今までのあたし、すっげえ恥ずかしいことしてたんだって気付いて……」

つうか、今さらだろ。

俺は澤田の後ろに周り、馨の腕を掴んだ。

「さ、さささ触るなよ……っ、ドキドキすんだろ!」

振り払おうとした馨の手を難なく捕まえ引きずり出した。

「じゃ、澤田。また明日な」

「あんまり荒療治しないであげてね。自覚したばっかりなんだから」

「ちょっ、麻希っ!助けてくれねえのかよ!」

「大丈夫よ。骨は拾ってあげるわ」





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