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俺だけの女の子。
第3章 昨日のリベンジは教室で
もさもさの髪の毛からちらりと見えた瞳は柔らかく、影田は影田なりに馨のことを思っていたことをうかがわせた。

「邪な気持ちがあるのは認めるけどな 」
「……それは仕方ない。僕も男だから分かる。馨ちゃんがお前を選んだならそれでいい」
「影田は馨のこと好きなんだと思ってたけど、それでいいの?」

ある意味敵というかライバルのはずなのに、確認せずにはいられなかった。
影田は最初から諦めているのだろうか。

「僕にとって馨ちゃんはヒーローなんだ。小学生の時からあいつに虐められていた僕を助けてくれた。あいつは自分より僕を選んだ馨ちゃんが許せないんだ。だから……だからあんなことを」

そういえば馨の兄貴は警察官と消防士、自衛隊だったな。
もしかしたら馨が正義感が強いのはそれのせいかもしれない。
虐められている影田を助けるのは馨なら当然のことだったんだろう。

「だから僕のことは気にするな。僕のヒロインはマジックラズベリーのラズちゃんだけだから」

影田はそれだけ言うと非常口のドアを開けて出ていってしまった。
日曜日の朝8時半から放映されているアニメの主人公の女の子の名前だけを残して……


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