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俺だけの女の子。
第7章 図書館で秘密の情事
そんな時だった。
高梨の彼女である有川めぐみが席を立ったのだ。
そのままトイレのある方へ行くのを見て、今がチャンスだと澤田が目配せをする。

「私は有川めぐみの動きをチェックするから馨は高梨に小声で話しかけて。有川がトイレから出てきそうになったら高橋にラインで教えるから」
「な、何て話しかければいいんだよ」
「んー、そうね。いつも見てます、とか?」
「うげ。何かストーカーみたいじゃね?」
「バカね。ちょっと恥ずかしそうに言うのがポイントなのよ。真剣な顔で言ったらそりゃひくわ」

俺はとりあえずことのなり行きを見守る係に徹することになり、澤田はトイレに向かった。
馨が緊張した面持ちで俺と目を合わせると、一つ頷いて高梨のもとへと歩いていく。

……やっぱ無理。
高梨に馨を渡すなんてしたくない。

今すぐ告白をしにいくわけでもないのに、馨が高梨のところへ向かっているということが俺に不安を抱かせる。
馨が高梨の机の横に立った。
高梨が馨を見て、驚いた顔をするものの何だか嬉しそうな表情をするのが見える。

「あ、あの……」

小さな声で馨が話しかけた瞬間だった。
高梨に顔を見られないように背中を向けながら、俺は馨の手を取りその場から離れるように足早に去る。
そのまま人気のないところまで来ると、馨と手を繋いだまましゃがみこんだ。


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