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秘密の香り
第14章 秘密の空間
私は感じることなく無言だった

「桃香…」

敦は動きをとめて私の顔を見つめる

「気持ち良くない…?」

どんな表情をしていたのだろうか

「ごめん…無理矢理は嫌だよね…」

「ごめんなさい…」

敦の思いを受け入れられなかった
という罪悪感を感じ謝ってしまう

それ以上はお互い何も話せなかった

敦は背中を向けて寝てしまい
私は携帯を手にしてリビングへ行く


携帯を見ると圭吾さんからのメールが来ていた

よかった…

嬉しくて
ほっとして

涙がこぼれた

『桃香ちゃん
電話に気付かなくてごめんね。
今は電話かけても平気かな?
少しでも声が聞けたら嬉しいです。』


2時間も前に来ていたメール


もう深夜12時を過ぎている
まだ起きているだろうか…

すぐにでも電話をかけたい気持ちを抑えメールをした

『圭吾さん
真夜中に失礼します。
こちらからお電話したのに、メールに気がつかなくてすみませんでした。
また日を改めて連絡します。
おやすみなさい。』

本当は一言
すごく声が聞きたいです…と書きたかった

メールを送信して携帯をソファに置き
キッチンでミルクティーを作った

カップを両手で持ち暖をとる
一口飲むと身体が緩んで落ち着いた

携帯が光っているのが見えソファに座り手に取ると
圭吾さんからの返信だった

圭吾さんはまだ起きている…

『まだ起きていたよ。
連絡待っています。
ゆっくり休んでね、おやすみなさい。』

無理に電話をかけてこないところが
圭吾さんらしい…

ミルクティーを飲みながら携帯を胸に抱く


飲み終えて寝室に戻り
敦の眠るベッドへ入る


早く圭吾さんに会えますように
早くふたりが一緒になれますように…

敦の温かい背中を感じながらそう祈り
静かに眠りについた。













































































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