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仔猫と狼
第16章 こぼれ落ちる

親に知られたくないはずなのに、こいつは…。
「分かった。遠山東病院に行こう…。」
「はい。」
「ただし、隠蔽とか処理してもらうとかではなく、お前の両親に謝罪もかねて行くんだ。」
「え?」
片岡は、俺の真意が読めず困惑しているようだった。
それもそうだ。昨日まで散々適当に扱ってきた。
無理やり抱いた。
八つ当たりだってした。
そんな奴に突然優しくされたら、何か企んでいると思うだろう。
困惑したままこちらをしばらく見た後、片岡はそっと目線をそらした。
「そろそろタクシーも来るだろうし、行こうか。」
「そう…、ですね。」
こちらを見ないまま、家の鍵を掴み外へでた。

