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仔猫と狼
第16章 こぼれ落ちる

一言も言葉を発さない片岡はすぐに前に視線を戻してしまったため、どうしようか悩んだが、とりあえず隣に座ることにした。
何かを考える片岡は、泣きそうになったり、目をみひらいたり、険しい表情をしたりと忙しそうに表情を変えた。
そんな姿を眺めながら、俺自身も自分の感情を整理してみた。
今、俺はこいつに一体なんの感情を抱いているのだろう。
まずは、負い目。
それは今までのこいつへの態度や接し方だ。
まともに仕事としてすら接することができなかった。
最後には子供のように癇癪をおこして当たりちらして、無理やり体を開いた。
さらには中に出し、薬を飲ませることになってしまたった。
他には、今までの自分が恥ずかしくもあった。
自分がたくさんの女を抱いたということ。
己の快楽ためだけに抱いた。
…なんでこいつになんで関係ないのに恥ずかしいなんて思うんだ?
なぜ、こいつに…。
「片岡さーん。」
もう少しで答えが出そうなところで片岡の番がきた。

