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仔猫と狼
第4章 踏み出す一歩
エレベーターで、42階まで上がる。
このマンションは、一つの階に3フロアしかないらしい…。
どんだけ、金持ちの巣窟なんだ。
まあ、そんな巣窟に今足を踏み入れているわけだけど…。
気が重い。
チンッ
とエレベーターの止まる音がし、42階に着いた。
確か、鳥居さんの部屋は421号室…。
ってことは、エレベーター降りてすぐのこの部屋か。
「あ…。」
表札にも鳥居って書いてある。
ゴクリと喉が鳴る。
震える指をインターホンへと伸ばす。
ピンポーン
再びチャイムを鳴らすが、やはり応答はない。
「はぁ…。」
いい加減、私も諦め悪いな。
ここまで来たんだ!
勇気をだせ!
「すぅ〜…っよし!」
ずっと右手で握っていたせいで暖かくなった鍵を、目の前の扉の鍵穴に差し込み、回した。