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いつも、その笑顔で
第1章 季節の変わり目に
「蓮…音ずれてるぞ!!」
海斗が怒鳴る
「わりっ…」
「もう一回!!」
ドラムのノリが声を掛けた
「休憩!!」
「蓮…どうした?」
「わり、」
「美咲と…何かあったか?」
「ん……俺、昨日大学に迎えに行ったんだ、そしたらあいつ男と一緒でさ、同じ学部の奴とか、でもすげー仲良さそうで…つい……怒鳴って……無理矢理美咲抱いた……したら、出てった」
「お前、最低だな!!」
海斗が怒鳴る
「はぁ?」
「お前さ、俺ら、ファンの前でどんな顔してる?満面な笑み浮かべるだろ?んで美咲には、笑うなとか言える立場かよ!!しかも無理矢理抱くとか……ありえねぇし」
「だな…ちょっと最悪だな」
ノリもつぶやいた
「美咲…お前と付き合って、かなり辛い立場だろ、目立ったこともできない、デートもできない、そんな縛ってんのに、何嫉妬してんの?」
「うるせぇんだよ!!」
「二人とも止めろ!!」
ノリが間に入る
「男として…今のお前は、ほんと最低…」
「帰るわ…」
蓮が出て行く
「蓮!!」
ノリが追う
「ほっとけ!!」
ライブハウスが、静まり返った
「海斗……言いすぎだ」
「…ごめん、」
「美咲の気持ち考えたら、お前が言うのもわかる、俺も、蓮の行動は最低だと思う、でも二人の問題だろ。口出すのは、やめよ」
「あぁ、わかった……」
「飲みにでも行くか?」
「うん。」
美咲は、マンションには帰らず奈央の実家にきていた
「美咲ちゃん!!いっぱい食べて行けよ!!」
「はい!!ありがとうございます。おじさん!!」
奈央の家は、ラーメン屋さんだ、父親と2人暮らし。
「何か…疲れちゃった」
「美咲…」
「三年…なんだったんだろ…」
「美咲……もう、蓮くんのこと好きじゃなくなった?」
「わからない……言われてみたら、もう好きだとか愛してるの言葉はなくなってる。ドキドキもしなくなってる…」
「美咲……」
涙が出てきた
「美咲…」
奈央の家に泊めてもらった
蓮は、マンションで美咲の帰りを待った
「美咲………」