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いつも、その笑顔で
第7章 命
「母さん、調子どう?」
病院のベッドに横たわる女性
「えぇ、今日はすごく気分がいいわ。」
そう囁くのは、ノリの母親。
父親が事故で亡くなってから、母親も倒れてしまったのだ…そして重度の狭心症だとわかった
「そ、良かったな!!また曲出たんだ!!聞いてみて。」
「えぇ、いつもありがとう」
「母さん、俺来月からツアーが始まって、多分来れなくなると思うんだ…」
「大丈夫よ。母さん、紀洋がテレビに映ってる姿見ると元気になるのよ。」
「母さん…いつかライブに絶対連れてってやるからな!!」
ガラガラ
扉が開く
「お兄ちゃん!!」
「あ!!お兄ちゃんだ!!」
3人の小さな男の子に抱きつかれるノリ
「お!来た来た!お前ら元気だったか!」
「うん!!」
そしてその後ろから高校生の女が現れる
「お兄ちゃん、来てたんだ!!」
ノリには3人の弟と1人妹がいる
「あぁ、楓、来月は来れないと思うから、頼むな…」
「わかってる。ツアー始まるんだよね。頑張って」
「うん、ありがとな…楓、ちょっといいか…」
楓を連れ出す
「金、足りてるか?」
「大丈夫だよ、あの子たち、ちゃんとわかってるしわがままも言わないし…」
「わりぃな、お前にばっかで…」
「お兄ちゃん、謝らないでよ…私たち、お兄ちゃんのおかげでこうして生活できてる。私も、塾まで行かせてもらって………」
「ばぁか、心配いらない!兄ちゃんに任せとけ!」
メンバーにも言ってないことだった…
「楓…母さん…どうなんだ?」
「…先生は、次発作があったら、危ないって……今安静にしてるけど…あまり良くない。」
「何かあったら、すぐ連絡くれよ。」
「わかった。あ……お兄ちゃん……美玲さんの四十九日……だょ。」
「それは、必ず来るよ」
「早いね。」
「だな…ぢゃ、俺行くわ、ゆっくりできなくてごめんな!」
ノリは病院をあとにし、スタジオに急いだ