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私達が人間を辞めた日【外伝】 寿~孤独な支配者~
第9章 危険な思考
「ぐぅ...ぅ...」
美紅は徐々に痙攣を始める。
この細い首を締めるには片手で十分だ。
「美紅!!ッあああ!!」
華奢な体で体当たりでもしようとしたらしい美樹の顔面に拳を叩き付けると、ぱきぃっと心地好い音と悲鳴...おそらく鼻の骨が折れた美樹は再び床を転がる。
両手を拘束されている状況での抵抗等たかが知れている。それでも足掻く姿には既視感は思い浮かばない...
あの時の俺は足掻いたのだろうか...
自らの保身を捨て...血を流しながら...
考えるな...俺はもう過去と決別したんだ。
「や..めて...がぁッ!!!」
床を這ってきた美樹の髪を掴んで床に叩き付け、そのまま抑える。
美紅は小刻みに震えながら唾液を垂らしていた...
そうだ...足掻いても何も変わらない。
結局は、弱い人間は何をしても弱いままなんだよ。