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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
あれから数刻――。
7人のナツ達は真剣な顔をして部屋に閉じ籠もり、なにやら話し合いを始めたようだ。
そしてドア越し、聞こえてくる――
「「「「「「「ジャンケーンポン」」」」」」
同時に手を出せないハナタレナツがいるせいだろう、何度もかけ声が聞こえてやっと進んだと思われた後、
「「「「「「「あいこでしょ」」」」」」」
……これもまた勝負がつかないらしい。
まあ、所詮は特技だけが違うだけのどこもかしこもそっくりナツ達が、違うものを出すとは思えないけれど、無謀な闘いはずっと続く。
ハナタレナツも慣れたのか、がんばって1.5倍増しの速度でじゃんけんをしているらしいが、それにしてもそこまでしてやり続けないといけないじゃんけんとは何なのだろう。
「まだ出て来ない……」
あたしはテーブルに両肘をついて、ナツ達が依然勝負を続ける部屋を遮るドアを見つめていた。
やがてドアが開いて、7人のナツ達が泣きながら出て来た。
「「「「「「「順番が決められない~」」」」」」
とうとう音を上げたらしい。
そこであたしは家の外に出て、木の棒で地面に7つの垂直線を描いた。その下には、1~7までの数字を順序ばらばらで書き込んだあと、薪を敷いてナツ達の視線から隠し、そして幾つか適当に横線を地面に引いたあと、ナツ達にもそれぞれ1本ずつ横線を追加させる。
そしてナツ達にそれぞれひとつずつ石を持ってこさせて、あたし判断にて石が大きい順に垂直線の左から線の真上に置いて行く。
「さあ、じゃあ石が大きかった黄ナツから。さあ、なんの数字かな~」
あたしが木の棒で、線に沿わせて縦横にカクカクと移動する度、ナツ達の頭も一緒にカクカク動く。
可愛くて思わず笑いが零れる。
「僕は、4だね。最初じゃなかったけど、最後じゃないならまあいいかっ!!」
「次は緑ナツは……2、赤ナツは6、橙ナツは3、白ナツは5、だったら最初は誰かな? 残るは青ナツとハナタレナツ!!」
奇しくも最初と最後が残る決勝戦、屈み込んだふたりのナツは真剣にあたしの木の棒を見ている。
そして――。
「青ナツが1番、ハナタレナツが最後に決定~」
「うわーい、僕が1番っ!!」
「最後……。ぐすっ」
悲喜こもごも。