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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
「しーちゃんのおてて……温かい。僕、忘れないね、いつまでも」
「青ナツ?」
「えへへ。明日は大人になった僕を見てね。だから今日はこうやってしーちゃんにだっこされておねんねしたいんだ……」
ねぇ、なんで声を震わすの青ナツ……。
「しーちゃん、大好きだよ。しーちゃん……昔から」
青ナツの体温が心地よくて、とろとろと眠気が襲ってきた中で、随分と大人びた声音のナツの声がした気がした。
「ありがとう、これで僕は解放される……」
そしてあくる日――。
「おはよう…ってあれ、青ナツは?」
「うん、ちょっと実家に戻ってる」
「じ、実家?」
「そ、そう!! 僕達の実家!! 結婚の報告に!!」
ナツ達の個人情報は、お兄さんがいるということ以外、訊けばすぐガクガクブルブルされてしまうので、あたしにはまるでわからない。
ナツ達は、自由に森を出入り出来るのだろうか。
実家とはいずこに?
それも訊いてはいけないのだろう、口を開きかけるあたしより先に、不自然に大きな声を発する赤ナツ。
「そ、それよりもうちょっとで朝食ができるから、しーちゃん座ってて」
ここは空気を読まねばなるまい。
あたしはナツを怯えさせたいわけではないのだから。
そしてさらなる疑問がもうひとつ――。
「ねぇ、赤ナツ」
「なあに? もしかしてなにかに気づいた?」
やけに嬉しそうに、赤ナツはお尻を振って見せた。
「太った?」
「しーちゃんの馬鹿あああ!!」
赤ナツはあたしをポカポカ叩く。
今まで片手乗りだった赤ナツが、今は両手乗りほどに大きくなっている気がするのは気のせい?
そんな時、他のナツ達も目をこすりながら部屋から出てくる。
「「「「おはよう」」」」
「……ございます…」
「な、なななな!?」
大きくなったのは、赤ナツだけではない。
他のナツ達もひと周りは大きくなった気がする。
ハナタレナツなど、さらに貫禄がついたはち切れんばかりの体型だ。