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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
「しーちゃん、なにをそんなに驚くの? そんなに驚いていたらこの先もたないよ?」
どのナツが呟いたかわからないけれど、その声音は妖しげな余韻を響かせるものだった。
そしてその夜、あたしのベッドに来たのは、緑ナツ。
「しーちゃんとお花とお野菜作れて、本当に楽しかった」
「ねぇ、どうして過去形なの?」
「ふふふ、だって明日の僕は、ちょっと違う僕だから。だから今日の僕のうちに、僕はしーちゃんに大好きを伝えたいの。しーちゃん、好きだよ?」
目から大粒の涙をこぼしながら、無理に笑うナツ。
「どうしたのよ、ナツ。なんで泣くの?」
「嬉しいんだ。だって僕、しーちゃんのお嫁さんになれるから。ああ、僕、今まで頑張ってきてよかったなと思えて」
「ナツ?」
「ねんねしよう、しーちゃん。僕の体温を感じて。僕ひとりではしーちゃんを癒やしてあげられない代わりに、僕の体温で気持ちよくおねんねしてね」
ああ、これが緑ナツなのだろうか。
あたしの方があやされている気がする。
抱きついてくる緑ナツの体温に酔い痴れて、とろとろと微睡んでくる。
「ずっとずっとこのままだと思ってた。ありがとう、僕に勇気をくれて。しーちゃん、またね……?」
そして朝――。
青ナツに加え緑ナツまでがいなくなった代わりに、やはりその他5人の大きさは大きくなっている。
今では両腕に力を入れねば、持ち上がらない。
大きくなったのに従い、ナツ達の顔つきもしっかりしてくる。
今までの四等身は、手足と首が少し長くなり、動画少し細くなって頭が小さくなってきて、今では五等身。
それでもまだまだ子供のナツではあるが、時折見せるその表情が確信犯的な流し目を寄越すようになってきて、ドキドキしてしまう。
あのナツなのに。
そして一番の変化はハナタレナツで、ぽよんと膨らんでいたあの腹が引っ込んでいる。そしてぱんぱんだった手足も伸びて、顔も格段に小さくなった。残念なのはまだハナタレなこと。
なんで朝を迎えるごとに、ナツ達が変化するのか。
あたしの目の錯覚だろうか。