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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
「今の僕ではまだ子供は作れない。ああ楽しみだよ、しーちゃん。しーちゃんを抱ける日がくることを」
「だ、抱け――っ!? ねぇ。なんで突然そんなことに!?」
「それはね、内緒」
黄ナツは唇に人差し指をあてて、意味ありげな笑いを見せた。
「しーちゃん、僕の想いを受け取って。僕なしでは生きられないようになって。僕はしーちゃんが好き。好きだよ……?」
ナツの愛の告白が心地よい。重い瞼の向こうで黄ナツが言う。
「しーちゃん、僕を思い出してね。ずっとずっと君が好きだった。独占したかった。君が他の奴らも平等に愛してくれたから、その分僕は苦しかったけれど、だけど今こうして大人になれる。ありがとう……」
その次の日。
家に居たのは、ハナタレナツと赤ナツと白ナツだけだった。
他は皆実家に戻ったらしい。
残りのナツはあたしと同じくらいの背丈になり、顔にはまだあどけなさはあるけれど、確実に美しい少年のものになっていた。
やけにボディタッチがあり、艶気を漂わせて。
とくにハナタレを克服したハナタレナツが、男としての妖艶さを纏いだした。
どうしてこうなったのだろう。
今ではあたしは軽々とナツ達に抱きかかえられている。
甘い甘い表情を向けられて、おかしな気分になってくる。
ああ、せめて別のひとが……。
「サクラはこないのかな」
そのひと言に三人の顔が険しくなり、そしてまた穏やかな笑顔に変わる。
「こないよ。だからもうどうしようもないよ」
意味ありげに、そしてどこか刺々しい言葉。
頭脳明晰なナツ達は、あたしの行動や心情などお見通しのようで、あたしはどこか冷たい空気を感じてそれ以上は話題を続けることが出来なくなった。