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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
 


 次の日。


 赤ナツとハナタレ……いや、ハナタレではないのだから黒ナツは、がっしりとした肩幅になって、美貌に磨きをかけていた。

 どうして三角帽子をかぶる必要があるのかわからない。


 身長はあたしを超えて、とにかくも男を強調させる。

 今では赤ナツが全てのナツの仕事をこなし大変そう。

 成長すれば、他ナツの出来なかった仕事も出来るようになるのか。


 黒ナツはテーブルに片肘をついて椅子に座りながら、あたしに熱視線を送ってくる。

 その熱さが居たたまれず、薪割に出かけた赤ナツの後を追った。


「赤ナツ、あたしも手伝うわ」

「いいんだよ、しーちゃん。しーちゃんは、僕の上」


 黒ナツに抱きかかえられ、あたしは椅子の上に座る黒ナツのさらに上。


「可愛いな、しーちゃん。今じゃ僕の身体にすっぽりと入る」


 そして後ろからあたしをぎゅっと抱きしめてきて。


「僕好みの身体だ」


 どこか淫靡な声音を響かせて、あたしの長い黒髪が黒ナツの手でひとつに持ち上げられると、



「ん……っ」


 ナツから悩ましげな声がしたと思った瞬間、熱くてぬめぬめしたものがあたしの項を這い、あたしは思わず声を上げた。

「駄目、赤ナツが帰ってくる……っ」


 小さいナツの時とは状況がまるで違う。

 子供のじゃれあいとでは片付けられない。


 妖艶で美貌の黒ナツの動きは、かつて仕込まれたあたしの身体を燃え立たせるんだ。

 あの時、7人のナツ達にどんなに淫らなことをされたのか。

 どこをどうされたら、興奮していたのか。

「可愛い、僕のしーちゃん。約束だから手を出すのは明日にする。ふふふ、最後は面倒臭いから、だからきっとアカだって見ないふりさ」

「明日って……」

「ずっとおあずけ食らっていたからね。我慢が条件なら、今夜も僕は耐えて見せるさ……」


 声に怒りが籠もった気がする。



 そして、夜――。


「しーちゃん、結婚式の準備は整えているよ。だから安心してその日を迎えてね。後は僕が大人になるだけ」

「赤ナツはもう大人じゃない」


 そう言うと、美麗な顔を綻ばせた。

「だけどまだだ。まだしーちゃんの嫁になるには、足りないんだ。あとひとつが、足りない。だから僕……」


 赤ナツの唇が、あたしの唇に重なった。


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