この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
少し前までは小さなハナタレ姿だった。
それが急に大きくなって、こうしてあたしを翻弄する美男子に変わって。
少し怠そうな物憂げな顔も。
垣間見せる官能的な顔も。
その全てが痛みを上書きするように、あたしの身体に陶酔してしまうような甘美な余韻を波紋のように拡げていく。
ナツの仕草のひとつひとつが、水面に落とされる一滴の雫――。
あたしは、ざわざわとナツに翻弄される水面と化す。
揺れる、揺れる。
突然不可解な成長を遂げた男に。
揺れる、揺れる。
少し前まではハナタレだったあのナツに。
揺れに揺れたあたしは、その男からの愛の言葉を心地いいと嬉しいと喜んで、淫らなことをされて抵抗するどころか、一度きりの純潔を捧げることに後悔すら抱かず。
警戒を超えた愛しさばかりが募るんだ。
魅惑的なナツの変貌と、変わらぬひたむきで情熱的な愛の視線に、身体の芯が蕩けてしまうんだ。
なんであたし、こんな状態になっているの。
なんであたし、ナツにこうされて嬉しくてたまらないの。
……ナツをもっと欲しくてたまらなくなる。
もっともっとひとつに溶け合いたくなる。
ただこうして繋がったまま、抱き合っているのではなく。
もっともっと、生まれ出るこの甘美な感覚を、余韻ではなくうねりにして、ナツと共に弾け飛びたい。
――しーちゃん、イッて?
ひとりではなく、ふたりで。
ねえ、そう思うのはあたしだけではないよね?