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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
 
 
 相手の身体にしがみついているのはどちらの方か。

 直立したナツに抱きついているのはあたしだけれど、あたしを抱えたナツの方が、あたしの心に抱きついている気もする。


 抱きついて求めるのは、さらなる繋がり。さらなる関係。


 今までの庇護の関係を壊して、同等の関係になろうよ。

 大人と小人ではなく、ただの男と女に。


 繋がったまま、あたしが無意識に絡め取っている"膨張して脈動する違和感"があたしの身体の一部のように馴染んでいく。


 異物ではなく、一体化して溶けていくようだ。
 
 繋がった部分からじんわりと生まれる熱が、あたしの胸の奥に生まれた熱と溶け合うようにして、ナツへの愛しさだけを募らせる。


 熱い、熱いよ。

 ナツのことを考えると、さらに熱くなって仕方がないよ。


 あたしの全身が、ナツへの愛に満ちていく――。


 熱い蜜に蕩けたココア色の瞳がこちらに向き、視線が合った。

 とろりと濡れた蠱惑的なナツの視線に、息が苦しくなってくる。


 このまま平静ではいられない。

 ナツのすべてが欲しい。


 口に出さない言葉を、視線に訴えたのはナツも同じ。

 絡み合うふたつの視線は濃厚で、蜜が糸を引いているように粘りあるもののように思えた。


 それは淫らな熱蜜の視線――。


「……は……っ」


 ナツが我慢出来ないというように苦しげに目を細めて、甘い吐息まじりにあたしの唇を奪った。

 そうしたナツの動きが嬉しくて、あたしは積極的に唇を開いてナツの舌を口腔内に誘い込む。


 ぬるりとした舌があたしの舌に絡み合う。

 水音をたてての激しい絡み合いになれば、ナツと繋がった部分が連動するように、熱を持ってじんじんと息づいてくる。

 ナツの官能的なキスの顔がたまらない。

 このちょっと苦しげな顔にきゅんきゅんがとまらない。
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