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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)

 だったら、相手がいたの?

 誰かを抱いていたの?


 こんな風に、気持ちいいと喜ぶ女がいたの?

 ナツがあたしの王子様だったなら、あたしに待てと言いながら、他の女を抱いていたの? それであたしに好きだと言うの?



 訊きたいのに訊けない。

 その疑問はしこりとして胸に刻まれ、あたしの胸は痛んだ。


 気持ちいいと感じることがいけないことのような気がするのに、身体が感じる快感にあたしは抗えない。


 それくらいナツの動きは巧みで、だからこそあたしの憂いも強まっていく、悪循環――。



「はぁっ、はぁっ、ナツ、んんっ、あああ、ナツっ……」


 いつのまにか増えた椅子をベッド代わりに、ナツの上に覆い被さったような形のあたし。ナツの汗ばんだ肌を感じたくて、身体をぎゅっと押しつけた。


 憂い事を見ないように胸の奥に蓋をして仕舞い込む。

 その存在すら振り切るように、あたしはナツと両手の指を絡ませたまま、何度も何度もナツと舌を絡ませあい、互いの舌を吸い合った。

 淫らになればなるほど、余計なことを考えずにすむと思い至ったあたしは、より大胆にナツに快感を訴え、乱れていく。


「しーちゃんどうしたの? 凄くえっちだよ? ねぇ、僕をそれ以上煽らないで。これでもしーちゃんはハジメテだからと手加減しているんだから」


 テカゲンシナイワザヲダレカニミセタノ?


「ああ、だけどえっちなしーちゃんも好き。可愛くて愛おしくて……溺れてしまいそうだ。ああ、本当にやばいって、そんな目は反則!!」


 ダレカニモソノセリフヲイッタノ?


 余裕をなくしかけたナツの突き上げが激しくなる。この早さでも、ごりごりとし尖端をあたしが感じる部分に確実にあててくる。単調にならないように、緩急もつけてくる。


 ナツが慣れているのが、すごく哀しい……。

 だけど快感の波に呑まれているあたしはそれを言い出せず、密やかに涙を流して嬌声を上げて誤魔化すしかなかった。
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