この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
 

 強制的に始まった僕達だったけれど、それでも彼は嬉しそうに頷いて、僕に心を開いてくれたんだ。

 しーちゃんは日頃お勉強がしたくないと彼から逃げ回っていたようで、ついでに兄からも逃げ回っていたけれど、彼にとって一番なのは僕や兄だけではないことはわかっていた。

 彼はいつも、しーちゃんを見ていたから。


――ねぇ、君。もしかして……?

――ナツだけに教えてあげる。実はね……。


 彼は、この国において…しーちゃんの婚約者に選ばれていたらしい。


――だけどハルさんや、ナツを思ったら……。


 優しい僕のお友達。

 僕達はどうするのがいいのかわからなかった。


 兄がしーちゃんをどれだけ好きか、いいだけ見てきたから。
 

 兄は成長につれて美貌を際立たせた。
 
 しーちゃんの綺麗なお母さんでも、兄を見る目が違う。とってもいやらしい。そんな妻をたしなめてくれればいいのに、しーちゃんのお父さんはしーちゃんを可愛がってばかり。おかしな家族だった。

 しーちゃんが王様に懐いて抱きつけば、兄の唇が不満げににゅっと尖り、凄く不機嫌そうで。そしてイライラしながら頭を掻いて、ドガッと壁に拳を打ち付けたり、長い足で蹴り飛ばしたり。

 礼儀正しくあれと教え込まれた王子らしからぬ、まるで野生に生きる荒くれ者のような仕草だ。…しかも隣国の城で。


 そんなこんなで最初の出会いから何年かすぎ、僕も次第に大きくなり。そして兄としーちゃんの仲もそのままで、僕達兄弟の不毛な片想いが続いていた間、いつしかしーちゃんは"白雪姫"と呼ばれるようになっていた。

 美しいしーちゃんへの称賛に名付けたのは王様らしい。

 実際しーちゃんは肌が雪のように白くて、凄く綺麗なお姫様だった。可憐さと、どこか色気を滲ませるようになったその姿。


 求婚者が凄く増えたという。

 僕の親友も凜々しく美しい若者となり、兄はより大人の男となり。


 その誰もがしーちゃんが好きで。

 その誰もがしーちゃんに相応しくて。
/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ