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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
僕は、いまだ求婚続ける兄の横で、綺麗で優しいしーちゃんに会う度に身体を熱くしながら、切ない気持ちになっていた。
もしも、兄のように堂々と妻にしたいと言えたら。
もしも、親友のようにしーちゃんの近くにいることを許されていたら。
しーちゃんはいまだ僕を見ると笑顔で包み込んでくれるけれど、それは僕が弟としてだからだ。僕を男として見ていないからだ。
しーちゃんは気づかないだけで、きっと兄のことを……。
最初はそれでもいいと思っていた。
僕の大好きな者達が結ばれて、僕の大好きな家族が増えるのならば。
心から僕は兄を応援したい。
……そう思っていたというのに。
成長につれて変わっていくのは僕の身体だけではなく、僕の心も大きく育ってしまった。
ふとした拍子に触れるしーちゃんの感触。甘い匂い。誘惑めいた声。
しーちゃんを構成するどの部分からも、しーちゃんの"女"を見いだしてしまう僕は、心も体も男として欲しくてたまらなくなって。
欲しい、欲しい。
しーちゃんが欲しい。
あの黒い瞳に僕だけを映して欲しい。
僕だけに触れて欲しい。
僕だけに声をかけて欲しい。
あってはならない独占欲。
込み上げる想いが膨らみすぎて、屋敷に戻れば、しーちゃんの顔ばかり思い出されて、恋い焦がれて切なくなる。
ああ、しーちゃんが欲しい。
男として、僕を意識して欲しい。