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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
ある夜僕は、初めてしーちゃんを抱く夢を見て、夢精した。
夢だという空しさを感じながらも、想像だとわかってはいるくせに、甘美な瞬間を思い出し、その日、僕は自分の意志で自慰をした。
――しー、ちゃ……んっ。
愛したい。
口づけしたい。
繋がりたい。
泣きながら乞い求めた相手は、僕の頭の中。
現実のしーちゃんの隣には、兄が居た。親友が居た。
いずれしーちゃんは誰かの妻になる。
誰かを愛し愛され、子供が出来て。
そんなそんな幸せが用意されている、しーちゃんはそんなお姫様だ。
ああ、僕がもっと兄のように自信に満ち、男らしくて。
ああ、親友のように理知的で、落ち着いた美貌でもいい。
少しでも男として人に誇れるようなものがあれば、僕はしーちゃんに好きだと告げられただろうか。
報われなくても、せめて想いを届けたいと…、たとえ自己満足でも幸せな気分になって、こんな辛い夜を過ごさずにいただろうか。
だけど、きっとどうしても言えないだろうと思う。
それは僕の大好きな人達に対する裏切りでもあるから。
1人で眠る自室の寝台。
横たわって目を瞑るといつも、しーちゃんが優しく僕を誘う。
――ねぇ、ナツ。抱いて? あたしを、愛して?
しーちゃんを想うだけで、僕の肉棒は野性的にそそりたち、そして妄想での理知的な僕の攻めが、しーちゃんを絶えず悦ばせる幸せな時間を作り、そこから得られる僕の心身の充実した感覚を僕の脳天に返す。
陰茎をしごく僕の手は激しくなり、しーちゃんに見立てた枕を片手で抱いて、何度も何度もキスをして。
――ナツ、ああ、ナツ。一緒に、一緒に行こう!?
美しい黒髪を散らせて、女の艶を見せて絶頂に行くしーちゃんを思いながら、僕はしーちゃんを女にしている悦びを噛みしめて、腰をも動かす。
――ああ、好きだ。好き……好きだよ、シズ……ルっ……。ああ――っ。
言えぬ言葉も妄想の世界ならこんなに簡単に。
そう、妄想だから簡単に、夢は砕け散る。
いつも残るのは――悲哀。