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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
 

――お願いです。なんでもしますから、だから兄を、兄だけは助けてください!!



 兄もしーちゃんも王も。きっと誰も知らない。

 誰にも言うつもりもない。

 僕が兄を救いたい一心で、捨て身で王妃に兄の助命を求めていたことを。



――お前は、随分と可愛い顔といい身体をしているな。


 そのために、僕は王妃の愛玩となっていた時期があった。


 泣きながら閉じ込められているらしいしーちゃんと決別して、王妃の性欲の処理道具にされて、僕の身体は女を知る身体に変貌した。


 だけど王妃は、僕だけでは満足しなかった。

 王が失明ののち、倒れたのも王妃の盛った毒薬だと僕は知っている。


 王妃を封じていたのは王の存在。

 その王の凶行に、王妃の性もまた解放されたんだ。
 


 昔昔、僕は兄から聞いていた。

 この王妃は淫魔という魔女であったのだということを。


 兄は信じていなかった。

 だけど僕は、失明した王を見つめていた王妃の笑みに直感した。


 人間とは思えない、残忍な笑みと妖艶さに。


 ああ、この女は――魔女だ。

 ……危険だ、と。


 わかっていながら、取引を持ちかけたのは僕。

 それに対して僕がどんな状況になろうとも決して後悔することはない。


 だが、兄は――。


――なあ、ナツよ。お前を助けろとうるさい兄に免じてお前を解放しよう。だが自由にはさせぬ。白雪を想い続けるあの兄は妾の誘いを断った。それでもあの王を追いつめた功績に、慈悲をとらす。


 気高く強く逞しい兄は、隣国で一番下位の職業とされる猟師として、しかも王妃専属の刺客とおちぶれた。

 それでも生きていてくれるだけでいい。

 そう泣いた僕に、


――ナツ、許してくれ。お前をそんな姿にしてしまった俺を!! 絶対この兄がお前を直す。絶対呪いを解いてやる。だから待て。俺を待てよ!?


 兄は号泣した。

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