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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
 

 僕の身体は魔女によって7つに分散させられた。


 それをもともとのひとつの身体にするためには、方法がある。

 王妃から耳打ちされたことを、兄には伝えてはいない。



 まずは――、愛する人に7人全員に愛を注いで貰うこと。そこに差別はなく、きっちり均等に。


 そして6人の僕が、耐えがたい「死」を経験すること。だけどそれには難問があり、全員がその死に納得しなければならない。ひとりでもそれを拒絶したら無効になり、死んでしまった僕分、永遠に僕は欠損し続ける。そうなればもうひとつに戻ることも適わない。


 そして満場一致でひとつになれても、生きられるのは余命3日なんだ。



 だからこそ、教えられた真実。


 兄が絶望しそうな気がしたから、言えなかった。

 僕が3日で死ねば兄なら責任感じて、しーちゃんを守らず、後を追ってきそうな気がしたから。


 7人の生活というのも中々面白かったんだ。

 僕は除け者にされて哀しい思いはしたけれど、それでも誰もが僕なんだから、誰もが僕を嫌えないことを知っていたし。

 7人となった僕達は、生きるためにそれぞれ得意分野を懸命に独学した。持っている記憶量は均等ではなくまちまちで、僕が一番しーちゃんを覚えていたようだ。覚えてなくとも、一目惚れは間違いない。しーちゃんに会った時、全員が全員しーちゃんを見て反応したから、やはり僕なんだなと苦笑した。


 僕は、兄の人生を縛る呪いを解くために、しーちゃん以外の女性を好きになろうと頑張ってたたんだ。せめて僕が元の身体に戻れなくても、幸せでいるところを見てくれたら、きっと兄はしーちゃん強奪に専念出来ると思ったから。
 

 だけど王妃の、魔女の呪いは森全体にもかけられ、滅多に人がよりつかないものとなり。たまに少女が迷い込むことがあっても、僕達を気持ち悪いと逃げ出したり、均等には愛してくれなかった。

 そこには、どう見ても醜い姿も混ざっていたからだ。


 兄は森に入れない。

 しかしなぜか親友は、兄の使いだとして森に入ってくる。

 その理由はわからないけれど、親友と兄の鷹が盛ってくる手紙だけが僕の生き甲斐だった。


 いつもそこに、嬉しいこと楽しいことばかりを書いて、鷹の足にくくりつけていたんだ。


 僕は大丈夫、だから自分自身の幸せを考えてと祈りながら。
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