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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)

 
 その"衝動"は肉棒と同じように熱く、荒々しく。

 肌が摩擦される度に、身体と心がきゅうきゅう疼く。


「どうして……どうして俺の理性を簡単に壊そうとするんだ……っ」


 吐き捨てられる言葉――。


 擦れ合う頬が気持ちいい。

 サクラに愛されている気がして、嬉しくて泣けてくる。


 もっともっと近づいて、もっともっとぎゅっとして貰いたい。

 衝動はあるのに、経験不足のあたしは、このサクラを渇望する心をどう伝えればいいのかわからない。

 だからくっついている頬を離して横を向き、その頬に唇をつけたら、あたしの秘部で動くサクラのモノが、さらに質量を増した気がした。


「な……に……」


 驚いた顔のまま固まるサクラ。それが可愛くて、あたしは再び頬に唇を落とす。

 至近距離で見つめ合う目と目。

 それは冷ややかさなど微塵もない、熱に蕩けたもの。


 落とし穴から庇ってくれたあの時を思い出して、胸がとくとくとうるさい。

 "男"の……欲情したこの瞳が、あたしはたまらなく好きで。

 蜜よりもねっとりした熱い視線の絡みに、興奮しているのはあたしだけではなく。秘部で擦れあういやらしい音と、互いから漏れる官能の喘ぎが、激しさを増した。


 ああ、こんなに近くにいるのに、あたし達は独立して離れたまま、ひとつになれない。深層で繋がったら、どんなに嬉しいだろう。

 距離がゼロにならないのは、この無機質なメガネのせい?


「これ……嫌」


 だからあたしは、了承を得る前にメガネをとった。

 サクラから覆いをとった、素の…艶めきながら喘ぐたその美しい顔が露わになり、思わず吸い寄せられる。


 サクラをあたしのものにしたくて、たまらない。

 冷たい言葉と裏腹に、熱い吐息を漏らすこの唇が欲しい。


 薔薇の香りに惑わされた蝶のように、蜜を求めて……。


 ……夢見心地なまま、唇にそっとキスをした。


「………」

「………」


 反応がない。

 拒否されないのは、キスの繋がりはいいというということなのだろうか。

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