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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
「今さら……よ。繋がれないのなら……あたしの意志で、サクラを気持ちよくさせたいの……。あたしひとりだけ、このまま……表面的な気持ちよさに流されたくない。サクラをもっと感じたいの……」
「っ!!!」
繋がれないのなら、あたしが愛でたい。
上り詰めたいと身体は言うけれど、心はサクラをもっと感じたいんだ。もっともっと近くに。もっとリアルにサクラの反応が欲しくて。
浴室で触った以上に、ぬるぬるして大きく膨らんでいるサクラのモノは、あたしの手に悦んで大きく震えた。
「駄目だ、手を……」
「嫌……っ」
コレが愛おしくて堪らない。
こんなに雄々しいのは、あたしが欲しいと思ってくれたの?
自慰の時の、妄想のあたしではなく……現実のあたしに。
「名前を……呼んで?」
「……っ」
「こんなにあたしがサクラが欲しいと言っても繋がれないというのなら、せめて、サクラの心を見せてよ。現実のあたしはここにいる。あたしの名前を呼んで、あたしが欲しいと求めてよ。ひとりでしていた時みたいに、欲しくて欲しくてたまらないって、あたしの名前を呼んでみせてよ……」
「なっ……」
「呼んで。呼ばないと、離して上げない」
「っ!! ……シ……」
「シ?」
あと少し。
あと少しで、こんなに感じているような官能な表情を、あたしだけに向けてくれる。欲情しているのは、ここにいるあたしなのだと示してよ。
「シズ……」
上擦った声が掠れきって、途中で途切れた。
"シズ"
それは突然のことだった。
"シズ"
そこで止められた名前の響きに、あたしの記憶が反応した。
「"シズ"?」
記憶が……フラッシュバックしそうだ。
なにか映像が動くのに、意味がもたない。
シズ……。
あたしの名前の一部に、あたしの身体が反応する。
以前、あたし……そうやって呼ばれたことなかった――?